「日本で唯一」の洋なし専業農家
山形県天童市で、日本ではここだけの洋梨専業農家 として果樹園を営む寺岡さん。
2ヘクタールの農地で、
●ラ・フランス
●オーロラ
●スタークリムソン
●ゼネラル・レクラーク
●バラード
●マルゲリット・マリーラ
●シルバーベル
といった多彩な品種を栽培しています。

名古屋の大学卒業後、大阪で製薬会社の営業、札幌で外資生命保険の営業職を経験。
大学在学中には海外ボランティアでモンゴル・スリランカ・タイへ行き、異なる価値観を持つ仲間と活動した経験から「柔軟さ」と「協調の大切さ」を学びました。
27歳でUターン就農を決意。園芸農業研究所で1年間の研修を受け、祖父母の果樹園を継ぎました。
就農時どの果物を栽培するかを考えているとき、洋梨を食べ比べる機会があり、「洋なしと言っても品種によってこんなにも味が違う果物なのか」と衝撃を受けたことがきっかけで、洋なしの可能性を感じたそうです。
そこから洋なし専業農家に挑戦したと寺岡さんは語ります。
*自社調べ
緩急をつけた栽培で良質な果物に
洋なしの栽培は、真冬の1月から3月にかけてどんなに豪雪でも行われます。
鋸で太枝を整理し、さらに枝先一本一本に鋏を入れる「先刈り」を実施。100本近くある樹でも、一日に一本しか剪定が終わらないこともあり、根気と集中力を試される大仕事です。

また、定期的に農園の土壌分析を行い、基本は無肥料栽培。今年はカルシウム剤・アミノ酸・クエン酸を試験的に使用し、甘味と酸味のバランスを追求。「必要以上に与えず、樹の声を聞く」ことを大切にしています。
さらに重要な栽培工程の“摘花”。一つの芽から約7輪ほど咲く花の中から、1輪だけを残す繊細な作業。1日10人規模のお手伝いを日雇いで雇い、スピード感をもって5月上中旬には作業を終えるのが特徴です。早いタイミングで摘花を済ませることは、果実の大きさと糖度、風味を安定させる秘密です。

寺岡さんの洋なしは、収穫の1ヶ月前に試食したタイミングで、風味や糖度がしっかり乗っているのが特徴です。丁寧でかつスピーディーな細やかな栽培の成果が、良質な食味を生み出しています。

海外ボランティアの経験で得た人との関わり方
繁忙期は農業に特化した人材雇用サイト「デイワークアプリ」を積極的に活用して人手を確保。寺岡さんにとって人は「労働力」ではなく「一緒に農をつくる仲間」。感覚の合う人とは自然に信頼関係が育まれ、長く協力関係が続いています。
もともとは人付き合いにそれほど積極的な性格ではなかった寺岡さん。
大学時代、教授の紹介がきっかけで海外ボランティアに参加し、モンゴル、スリランカ、タイへ訪問。現地で一緒になった20人くらいの大学生との関りが刺激になり、ボランティアにのめり込んでいったと語ります。目標や心持ちを持った他大学の学生たちと交流したことをきっかけに、異なる価値観を持つ仲間との経験が、現在の果樹園経営における「柔軟さ」「協調の大切さ」へとつながっているそうです。

